私と世間へのお手紙

日常と思想、ときどき宗教。拝啓、私と世間様!

2021年11月3日(水)のこと

◎祝日

 なので、母の運転で本日も引っ越し作業のためアパートへ。朝7時半には家を出るよと言われたのに7時に起き、案の定8時前に出発。道中、お気に入りのパン屋で朝昼ご飯を購入。どのパンもしっかり美味しい上にパンの種類も豊富で、午前中に行くとずーっと焼いてるのでお会計の間にも焼き立てのパンが出てくる、無限パン屋である。いつもカゴがいっぱいになるまで乗せるのだが、店を出るころにはあのパンも買えばよかった……と思ってしまう。しかも種類の展開が早いので、定番のものでないパンは次に行っても会えないことがある。そんな一期一会のパンたちを噛み締めつつ、時間も早いおかげか祝日でも渋滞に巻き込まれることなく到着。

 残っていた服やらタオルやらをあらかた回収し、手をつけていなかったキッチン、風呂周りの片づけにも入った。冷蔵庫の中が実はちょっとあれだったりするのをひっそりゴミ袋にまとめ、使えそうな調味料類は後日持ち帰れるように箱へ。その他、家電なども箱に入れて、今日は車に乗り切らなかったので部屋にまとめて置いてきた。

 棚が全て無くなり、何の飾りもない真っ白な壁と日焼けの跡がくっきりついた畳を見ているといよいよこの部屋ともお別れだなという気持ちになった。退去まではまだ日にちがあるし、最後にはしっかりと掃除もしなければいけない。それでもすっかり4年前に近い姿になっていく自室に来られるのも、あと数回。そういえば今日は文化の日ということで、尾道はお祭り*1を開催していたらしい。去年はコロナで中止だったが、今年は開催できたうえに駅前でJRの記念イベントもしていたということで、かなり賑わっていたという事を帰路についてから知った。

 地元の方でもサプライズ花火が上がっていたらしいが、微妙に違う地域だったのでかすりもしなかった。多分、帰宅がもう少し遅かったら音くらいは通りがかりに聞こえていたかもしれない。朝早くから行って、せっせと動いて、夕食も早くに済ませたからなぁ……。結局、ここ3年程花火は見られないままだ。

 

◎本屋

 本屋に行くと本を買ってしまうからだめ。帰りに中古本も売っている大型書店に寄ったが、まあ金を使った。中古本コーナーでは全巻セットの売り場にマギのまとめ売りがあり、全37巻4000円はかなり悩んだ。少しずつアニメを見ているけど、アニメだけでは完結出来ないことがわかっているのでなかなかペースが上げられない。とかいえ新刊で買いたいものが決まっていたので、中古本は何も買わずに新刊売り場へ逃げた。

 新刊は、前から欲しいと思っていた漫画たちを見つけることが出来てさすが大きなところは違う、と感動した。ヒロアカの28巻も購入でき、これでやっと全巻揃ったことになる。大判のコミックを探すのに置き場がわからず検索機を使いたかったが、ずっと同じおじいさんが触っていたのでコーナーをぐるぐるしながら自力で見つけ出した。その直後に検索機の方をもう一度見ると、もう別のお姉さんに変わっていた。なんだかピンクな本を持っていたおじいさんは、欲しい本は見つけられたのかな。

 それから、買う予定じゃなかった雑誌も買ってしまった。小関渡邊の二人が表紙&巻頭インタビューの「ausome!」。今月のラインナップは知っていたけど、この二人のセットにそこまで高い興味があるわけではなく、旅番組もスルーしていたので今月号は買わないと決めていた。のに。一緒に雑誌コーナーを見ていた母が表紙じゃん、と言いながら軽く読み始め、しかもインタビューがなかなか面白いなんて言うものだから私も読んでしまった。結果、抱えたままレジへ。

 そもそも二人の関係が強くなったのはハンサムなので、そりゃ今年のハンサムライブの話をするのは自然ではある。そしてこの話がなかなか、「知っておくべき」内容だった。

 私は多分、チームハンサムといわれるユニットに参加して、それぞれの成り行きがありながらもハンサムとしてステージに立った人たちが、「ハンサムライブ」をどんな場と捉えているのか、について知りたがるところがある。そして、それが自分の解釈と合っていることを確認して安心しようとしてしまう。今のところ誰かの発言は違う! なんて暴れたことはないし、暴れる気もないし、そもそも違うとは思ったことが無いのでいいけど、この気持ちを持ったままハンサムを見続けているといつかどこかで裏切られた! と叫びそうでこわい。そのときは間違いなくジャンルの離れ時なので、俳優個人を指してそれは(私の望む)ハンサムじゃない! と言い出した時はどうかこの日記を見せて欲しい。未来の私、何か別の宗教を信仰しなさい(☆円盤編集スタッフとは別の話です)。

 

◎塩ラーメン

 朝昼でパンを食べたので、17時が来る頃にはお腹が空いてしまい、家で残り物を…と言っていたのが結局ラーメン屋に寄ってしまった。それも塩ラーメン。寒くなるとラーメンが美味しいし、塩はここのところ食べていなかった。「ラーメン食べたい。塩ラーメン」、口にすると一気にラーメンの口になるので、恐ろしい言葉だ。

 このラーメン屋で餃子を食べるのは初めてだったけど、皮が破れた瞬間に肉汁が出てくるタイプの餃子で美味しかった。ラーメンは言わずもがな。メンマが乗っているのが嬉しくて、実はメンマが好きという話をしたらお母さんが自分のメンマを分けてくれた。塩ラーメン食べながら味噌ラーメンが食べたくなっていたのでもうだめ

 

姉の結婚

 について話そうと思うと、書き残しておきたいことがたくさんある。読み返してこんな会話したよね、と言いたいし、今私が何を思っているかを単純に整理して残しておきたい。と思ったら、話は昨日のことからになってしまうのでひとまず割愛。また改めて書くとして、とりあえず本日11月3日(すでに日付は変わっている)、姉が入籍した

 昼前には役所に届けを出してきたという知らせが入り、あれこれと祝いのメッセージを送った。おかげで行きも帰りも何か話そうとするとすぐに姉の結婚の話題になってしまい、もう飽きたわーなんて言っていたのだが、その流れで父のことを聞いた

 姉が就職して働き始めた頃、彼女の元に父の扶養照会の連絡が来たことがあったらしい。生活保護を受けているので、親族の方で援助ができないかと訊ねてくるアレ。マジで来るんだ。ってか、生きてんだ。そんで生活保護受けてんだ。漫画で読んだことある! と思わず言ってしまいそうになる話だったが、当然母の元にはそういった連絡はないので、姉もひっそりと断ったらしい母は「あなたも働き始めたら来るかもしれないけど、断っていいからね。何のお金も払ってもらえなかったんだから、こっちだって払う必要ないよ」と言ったが、当然、そのつもりだった。

 私は幼い頃の記憶と経験から、「両親が離婚したころ父にはすでに別の家庭があったのでは説」を自論にしていた。もはやおもしろエピソードのひとつにもなっている、リラックマ案件だ。簡単に説明すると、当時小学2年生でsan-xのキャラ(リラックマとか靴下にゃんことか)が好きだった私。そこに、リラックマのぬいぐるみおもちゃを買ってくる父。しかし放たれる「これは同僚の娘さんにあげるものだから」という言葉。愕然とする私の後ろで、母の追い打ち「どうせ若いオネーチャンにあげるのよ」……このときはその言葉を信じ、廊下に積まれたリラックマのぬいぐるみをただ指を咥えて見ていたが、高校に上がる頃にふと、若いオネーチャンにリラックマのグッズなんてあげるか…? 実の娘を差し置いて…? という疑問が浮かんでいた。この頃から、私の中では前述の説が濃厚になり(というかそっちのがおもしろいなと思っていた)、もしかすると知らないところに片親だけ血の繋がった人たちがいるのかもしれない、そうじゃないにしても、かつて私の父親だった人は何処かで別の人の父親をしているのかなと考えていた。

全くの見当違いである。

 父は再婚できるほど魅力のある人でも、父親を全うできるほど威厳がある人でも、そもそも一人で暮らすことが出来るほど生活力のある人でもなかった。なんなら、どこぞの若いオネーチャンにリラックマのグッズでしか貢げない残念な人だった(ひょっとするともっと直接的なものも渡していたのかもしれないけど、それはそれでヤバイ)。まあ、わかっていたことでもある。ある意味父は記憶の中の父のままで、少なくとも姉が働き始めた8、9年前(6歳上+短大卒)の時点で生活保護を受けている。私も春になる頃には、同じ連絡が来るものと思っていていいのかもしれない。

 姉の結婚という一大イベントは不思議な気持ちになってばかりだった。姉の名字はもう私と同じじゃなくて、母の文才輝く母子手帳で読める父の面影はこの世のどこにもない。戸籍上私には義兄ができ、だけどお互い未だに照れて名前を呼べないまま。

 昨日、節目だからと姉から貰った手紙は、泣かせに来ているのか笑わせに来ているのかわからないほど賑やかで彼女らしかった。書き出しが「明日結婚するお姉ちゃんですよ」の時点で狙っている。一方で姉は手紙の中で私を、「ここ数年のことだけど、いちばん気の合う友達になれた」と書いてくれていた。「私だけかな? 思うじゃろ笑」と脳内で姉がそのまま喋りかけてくるような文面には、その通りだよ! としか返せない。何の話でも一番理解が早くて、笑いのツボも同じで、古くてローカルなネタでもちゃんと伝わる。一番楽に話せるのは、姉だけだ。

 手紙は大して長くもなく、それこそ離婚だの母子家庭だのの文字は一切なく、過去にした酷い喧嘩のことさえも触れていなかったのに、一文、「私にとっては、やっぱり自慢の唯一の妹よ」と書かれていて。私はどうしても、姉の母子手帳に母が最後に書き込んだ同じ言葉*2を思い出してしまったのだ。

 

 姉の結婚に関してはここ数日でいちばんホットなニュースだったせいで、連日家族について考えてしまったし、実際はそうでもないのかもしれないけど家族のことばかり書いた気がする。でもそれくらい、家族の、母と姉の存在は私の中で大きい。家を一度出た理由も、戻ってきた理由も家族にあって、最終面接で聞かれた「初任給は何に使いたい?」なんて質問にも、ベタベタに「家族に美味しいものをご馳走したいです」と答えた。

 父親のいる家庭というのはどうにもわからないけど、女3人でも充分楽しく生きられることは知っている。いろんな人の手をたくさん借りはしたけど、今のところみんな真っ当に生きていて、それはやっぱり自慢していいことだと思う。ので、私も今度母と姉に手紙を書く機会があったなら、恥ずかしがることなく私の自慢ですよと伝えてあげようじゃないかなんて考えて、今日の私は眠ります。

 

*1:尾道ベッチャー祭りで検索

*2:

 

umi-no-soko.hatenablog.com